人事の仕事とは?~初めて人事担当者になったら読む話~その1

人事の仕事について、なかなか「わかりやすく」まとまった本や情報は少ないと感じています。そこで初めて人事の仕事に関わる人向けにまとめた記事を書いてみました。

この記事を読むのにおすすめな人
  • 初めて人事担当者になった人
  • これから人事・組織領域の仕事を始める人
  • 人事の仕事について知りたい人
  • 人事の仕事のキホンについて復習したい人

人事の役割と仕事とは?

人事という仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか。私も最初は「なんか堅い仕事だなぁ」と考えていました。でも、今では人事ほどやりがいがあってエキサイトな仕事はないなぁと感じています。

そもそも企業や団体における人事(人事部、人事機能)の役割とはどのようなものなのでしょうか。私はシンプルに以下の3つだと考えています。

人事の役割
  • 事業に必要な人を適切なタイミングで供給する
  • 組織の生産性を高める
  • 経営資源である「ヒト」を管理する

事業に必要な人を適切なタイミングで供給する

経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」の3つがありますが、人事はそのうち「ヒト」を担当する機能です。(※経営資源の定義は諸説あります)
事業に必要な 「ヒト」を適切なタイミングで供給することは人事の最も重要な機能です。「供給する」と表現するとドライに聞こえますが、 人事を企業や団体における機能の一つだと考えれば 本質的にはこの表現が一番ぴったりです。

どんな事業も「ヒト」で成り立っています。もし「ヒト」がいなければ、何も始まりません。このことから、最も重要な資源は「ヒト」であることがわかります。 (近未来にはロボットだけで成り立つ事業もあるかもしれませんが・・・)
例えば、あなたがレストランのオーナーだったとしましょう。レストランには、キッチンで料理をつくる人、ホールでお客さんから注文をうけ配膳する人、お皿を洗う人などが必要です。もしキッチンスタッフがいなければ、料理をつくることができません。料理を作れないとレストランとして成り立ちません。
また、ある日ホールスタッフが急に辞めてしまったとしましょう。その場合、次の人が採用できるまでキッチンスタッフが注文や配膳を兼務することになり、その分、料理の提供時間が長くなりお店全体の品質が低下する可能性があります。

つまり、「事業に必要な人を」「適切なタイミングで」というポイントが非常に重要なのです。もし上記のレストランでキッチンスタッフが必要なのに皿洗いのスタッフしか採用できなかったら事業は成り立つでしょうか。また、ホールスタッフが辞めた時に代わりにできる人がいなかったら、すぐにキッチンスタッフが対応できるでしょうか。

人事は経営資源である「ヒト」を常に用意し、人材を枯渇させないことが最も重要な役割です。「ヒト」を用意する方法として採用と人材育成があります。

「ヒト」を用意する方法
  • 採用
  • 人材育成

人事の仕事を担う人は「ヒト」を事業に供給する方法として、「採用」がベストなのか、「人材育成」がベストなのか常に考える必要があります。
「採用」は事業に必要な人を組織の外から調達する方法で、「人材育成」は組織内部にいる「ヒト」を事業で活躍できる「人材」に育成することです。
また、スキルが低い人材を採用し「人材育成」によって活用する方法もあります。

採用担当はついつい、人を採用することだけを考えがちです。そして人材育成担当はついつい、人を育てることだけを考えがちです。上記前提をもとに考えてみれば、採用や育成でいま何に注力するべきかがきっと見えてくるはずです。
そもそも、人事機能は小規模な組織であれば経営者や管理職が担うことも可能です。実際に人事部や人事機能担当部署がない零細企業はたくさんあります。
一方で成長を続ける中規模~大規模組織では常に人を採用すること、育成することが求められます。このような組織では、採用担当と育成担当を分けることで業務の効率化を行っています。つまり、もともとは一体だった機能を分離したのです。そのため、採用担当と人材育成担当は常に情報共有しながら仕事を進めることが不可欠です。

組織の生産性を高める

人事のもう一つの重要な役割は「組織の生産性を高める」ことです。ちなみに、「生産性」には下記の2種類があります。

  • 物理的な生産性を高める(少人数で仕事をする): 生産量÷労働者数
  • 付加価値の生産性を高める(一人の人の生産価値を高める):付加価値÷労働者数

物理的な生産性を高めるには、例えば業務を兼務させる方法があります。例えば上記のレストランの例で言えば、キッチンスタッフがホールスタッフを兼務できるようになれば、ホールスタッフの人件費を少なくすることができるため、物理的な生産性が高まります。

付加価値の生産性を高めるには、従業員のスキルを高める方法があります。レストランの例で言えば、スタッフの人数はそのままで、一人のシェフがたくさんのメニューをさらに美味しく作れるようになると付加価値の生産性が高まります。

生産性を高めると組織運営の効率が高まり、少ない労力で売上や利益を生み出すことができるようになります。

生産性を高める業務
  • 人材育成
  • 人事企画(制度設計、報酬設計 など)
  • 福利厚生
  • 組織開発

最近では、様々な手法を通じて生産性を高めることで、「働き方改革」を実現することが人事に求められています。「働き方改革」が生産性を高める取り組みであるとすれば、単に残業を削減することだけが「働き方改革」ではありません。

生産性を高める方法例
  • 従業員のスキルアップ
  • チームワーク向上
  • 組織体制の見直し
  • 報酬制度の見直し
  • 技術の活用 など

最近ではモチベーションやエンゲージメントという言葉が注目されています。
モチベーションを高めると、従業員のスキルアップへの意欲や仕事への意欲を高めることもできます。モチベーションを高める方法として報酬を引き上げることやチームワークを高めることなどが考えられます。

エンゲージメントは簡単に言えば従業員に「この会社で働きたい」と思ってもらうことです。エンゲージメントを高めるには、企業の価値観を従業員に伝えることなどが考えられます。

最近は企業よりも個人が強い時代になってきました。インターネットの発達で個人が自由に自分に合う会社を探し当て、自由に応募できるようになってきました。また、SNSの発達により企業のネガティブな噂があっという間に拡散
従時代になりました。また、AIやロボットの発達で「ヒト」が担う領域が昔より少なくなりつつあります。

こうした時代背景の中では、従来の人事業務の枠にとらわれず、様々な手法を通じて 「ヒト」を獲得する方法や最大限に活用する取り組みが必要になります。

経営資源である「ヒト」を管理する

人事の3つ目の役割が経営資源である「ヒト」を管理することです。企業や団体では必ず毎年資産の棚卸しをします。同じように、従業員がどのような状態であるか把握するとともに、常に「ヒト」が機能する状態に保つことも人事の重要な役割です。

「ヒト」を管理する業務
  • 労務管理
  • 健康管理

管理業務には向き不向きがあります。時には従業員に対して、会社のルールを守ってもらうために厳しいことを伝えなければいけないシーンもあります。一方で健康管理や働きがいのある労働環境の整備で従業員が働きやすい環境をつくることも「ヒト」を管理する業務です。従業員と徹底的に向き合い、従業員の目線も大事にしつつも会社の立場を貫き通せることができる人が管理業務に向いています。

人事ほどいま面白い仕事はない

最近の世の中は変化が激しく、特に日本企業は変化する必要に迫られています。そのような環境の中で、これから企業はどうあるべきか考え、経営資源である「ヒト」をどのように活用していくか、という大きな命題を考えることが現在の人事部に求められています。

今年3月には、経団連が終身雇用制度の廃止、新卒の通年採用化を宣言しました。いま企業における人事の在り方が変わろうとしています。一方でもう少し世の中に目を向けてみると、HR領域でHR Techと呼ばれるテクノロジーが発達してきています。いままでアナログだった人事という分野にビッグデータなどテクノロジー活用の流れが急激に進んでいます。

人事領域の仕事は今まさに変革期です。今までにない発想や取り組みが必要とされています。何かを変えてみたい、チャレンジしてみたいという方にはぴったりの仕事です。人事はいま一番アツい仕事です。

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